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[mini diary]

クラフトフェアまつもとを終えて
前編

こんにちは。

9月に入りましたね。


夜の寝苦しさが和らぎ天気も変わりやすく、青森は一足早く秋が訪れているようです。


「クラフトフェアまつもと(長野県)」(※以下、まつもと)を終えてからしばらく日が経ちました。


その直後から企画展/催事/イベントと立て続けに出店しておりなかなか振り返りの記事がまとめられずにいたのですが、ようやく向き合う時間を作りました。


去年の「工房からの風(千葉県)」に続き、2回目となるクラフトフェアへの出展ですが、結論からいくと大変実りのあるものになりました。


理由は、まつもとに向けて立てた具体的な目標を達成できたから。


その目標とは、

・休みながら作ること(①)

・売上の目標額を両日それぞれクリアすること(②)


①については、「工房からの風」への出展の際、初めてのクラフトフェア・初めての1人での県外への出展と、初めてのことづくしで全く余裕が無く、とにかく作らなくてはと根を詰めてずっと制作していたのですが、恐らくはその反動で、終了後燃え尽き症候群のような状態になり、手は動かしているものの3,4ヶ月ほど制作に身が入らない期間が続いたのです。


クラフトフェアへの出展は今後しばらく続けて行きたいと思いつつ、このサイクルは色々まずいなぁ、いいものが生まれない気がするなぁと危機感を漠然と募らせていました。


そんな時、とあるテレビ番組を機に作家・小川糸さんの暮らしぶりに興味が湧き、著書や出版物を拝読する中であとがきから「淡々と、自分の心地いいペースを守りながら歩くようなスピードで書いて、笑顔でゴールし、翌日からまた淡々と次の作品を書く、それが私の理想的な書き方です。」の一文を目にし、あぁ、私もそう作っていきたいなぁと一筋の光が見えた気がしました。


根を詰めることは個人的には簡単です。なぜなら、気を張り続けていれば良いだけだから。


ですが、張った糸を定期的に緩めて、また張ってというのは加減が必要なことで、緩めた糸をもとのテンションで張るのは面倒臭いですし、勢いがついてるペースを緩めるのもまた、かけたくないブレーキをかけるようで不完全燃焼感が拭えない…。


具体的には週に1度は休日を設けることを設定して取り組み始めましたが、慣れてくると気づきの方が大きかったです。


家族とゆっくり過ごしたり、家や体のメンテナンスをしたり、友人と会ったり外食したり、その1日の労働力を充てにしないことでダラダラと見通しの悪かった作業の仕方が少しずつ改善されました。


休日を挟むことで、「よし、今週も頑張るか」「今週中に~まで進めたい」/「~まで進めておいて、まつもとから戻ってから続きをやろう」「委託販売の在庫が少なくなってきているから少しずつ手をつけていこう」と、大きく見通しをつけれるようになってきたのは私にとって画期的なことなのです。


取り組まなければならないことが順に控えているお陰で、余力をコントロールしたり、まつもとから戻ってきてから難なく仕事に着手できたことは一歩前に進めた経験です。


自分の手から生まれる作品は日々の暮らしの営みや感性が結晶化したものに近いので、無理や矛盾は見抜く人は見抜いてきますし、表面的なのはなんだかなぁと思う方なので。


暮らしの中のものをつくっている人間が暮らしを手放しては説得力が欠けますし、大事なことを見落としてしまいがちです。


そんなこんなで、休むことの大切さ、休みが与えてくれるものの大きさに不惑にして気づくことができました。




後編へ続きます。



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​漆作家|天野琴音

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